近年インテリア雑誌等により注目をあびているのがこの縁無し畳です。
半畳にして市松敷きにすると差光の影響でとても美しいお部屋に生まれ変わります。
縁無畳とインテリアファブリックの組合せによって、今までの和室をレトロ調・モダン調・アジアンテイスト調など、さまざまな表情に変身させることができます。
長年にわたり御使用いただけるというメリットもございます。
現在では一口に縁無畳といっても様々な種類の縁無畳があります。
ここではその種類と性質を紹介いたします。
「縁無畳」は、主に3種類ございます。
草の種類・特徴 | 調湿性 | 水拭き | 耐久性 | |
---|---|---|---|---|
@ 琉球畳 | 七島イ 草が太く丈夫。ゴワッとしている |
◎ | △ | ◎ |
A 目積表の縁無畳 | 丸イグサ 通常のイグサ、サラッとしている |
◎ | × | ○ |
B 新建材縁無畳 | イグサ以外(和紙など) 色が豊富、撥水性がある |
× | ◎ | ◎ |
※お客さまと畳屋さんの間で縁無畳の種類の認識に多少誤差が生じていることがございます。
※当協同組合スタッフが丁寧にご説明いたしますので、お気軽にお問い合わせください。
@ 琉球畳(琉球表縁無し)
一番メジャーな縁無畳。琉球畳と呼ばれていますけど大分県で生産されている七島い草(しちとうい・しっとうい)という三角の草を割き乾燥させたものを使用します。
もともと七島い草は琉球国で栽培されていましたが江戸時代琉球国と親交のあった薩摩藩に伝来し青むしろとして使われていました。そしてその耐久性や性能・香りに驚嘆した大分の商人の弟、橋本五郎左(右)衛門が大分の特産品にしようと考え幾多の苦難をのりこえて琉球よりその栽培方法と苗木を持ち帰り現在まで大分で生産されていると言われております。
耐久性に関してはSクラスで抜群です。通常の畳表とは違う独特な香りが和室をよりいっそうひきたておしゃれなモダンなお部屋に生まれ変わらせます。
A 目積表の縁無畳(目積表縁無し)
通常の丸イグサを目積織したものを使用します。
耐久性に関しては通常の畳と同じくらいですが琉球に比べて価格がリーズナブルであり、また琉球畳のごつごつ感がなく滑らかな畳面になります。
B 新建材縁無畳(カラー畳)
ビニール製表や最近では和紙材をコーティングしたものを使用します。
日焼けによる変色の心配がなくいつまでも緑色のままです。
イグサの香りはいたしませんが耐久性も高く、撥水性もあります。ペットと同居している方や小さなお子様のプレイルームなどの用途に最適です。水拭きが可能なため、お手入れも簡単です。
また、十種類以上のカラー畳が登場してきました。さらにそのうちから2色・3色・・・・と選び市松敷きにすることにより、他にはない自分だけのオリジナル縁無し畳和室ができるようになりました。
色見本は、下記アドレスからご覧になれます。
http://www.tatamilife.com/seihin/s_1_2.html#04
まず畳床とよばれる芯材を寸法に合わせて裁断します。
ここまでは通常の畳と同じです。
次に畳表ですが乾燥させた草を曲げていくわけですから折り曲げた際にじっくり浸け置き畳表自体をしっとりさせます。
割れたりヒビが入るのを防ぐためにぬるま湯(もしくは畳表用の柔軟材)等。
その後その畳表を裏返し裁断した畳床と合うサイズに折り曲げていきます。
この折り曲げの作業が一番腕の見せ所です。
あらかじめ印をつけておいたライン上に包丁で折り曲げていくのです。
その後畳床に畳表を逢着し完成となります。
縁無し畳・・・・・ヘリがない分安いんじゃないの?そう考える方も少なくないはずです。
製造工程を説明いたしましたが縁無し畳の作業は草を十分柔らかくし草が割れないように少しずつ折っていくなど手作業が中心で一日に数枚程度しか完成させられないのです。
例えば通常の畳でしたら一日20畳仕上がるといった畳屋さんでも縁無しでしたら4枚程度といったように1畳を仕上げるのに3〜5倍程手間と時間がかかるんです。
最近では縁無し畳対応の作業機械が登場し、縁無し畳の作業効率がだいぶ向上しつつあります。
それに応じて価格もだいぶ低価格化していますがそれでもやはり通常の1畳に比べますと割高になっているのです。